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2017年9月22日金曜日

9月のスケジュールと、長谷川秋子のこと















編集長の林誠司です。

だんだんと涼しくなり、イベントや外回りの仕事が増えてきた。
最近のスケジュールを見てみると、

9月5日(火)  俳人協会全国大会
9月10日(日) 「松籟」前主宰、島津余史衣先生取材(愛知県出張)
9月14日(木) 七田谷まりうす「秋」「天為」同人と会食
9月17日(日) 「天穹」20周年祝賀会
9月18日(祝) 現代俳句協会ジュニア俳句祭
9月19日(火) 日本一行詩大賞授賞式

この中で、雑誌を作り、書籍を作っているので結構ハードだ。

今後も続く。

9月23日(土) 船越淑子「青海波」主宰取材(徳島出張)
9月23日(土) 神蔵器先生を偲ぶ会
9月24日(日) 「ひまわり」850号祝賀会
9月27日(水) 大高霧海「風の道」主宰と打ち合わせ
9月28日(木) 伊藤敬子「笹」主宰取材(愛知出張)
9月29日(金) 石井いさお「煌星」主宰取材(三重出張)

ところでさきほど書籍を作っていると書いたが、

落合水尾「浮野」主宰著『山月集』

を雑誌と並行して制作している。
これは水尾主宰の師、長谷川かな女、長谷川秋子の作品を水尾主宰が鑑賞したもので、「浮野」に掲載されていたものに手を加えたものである。

ぜひおすすめしたいのは長谷川秋子である。
かな女の句はこれまで読んできたが、これほど多くの秋子の句に目を通したのは初めてだった。
驚愕した。
これは決して大げさではない。

これほど赤裸々で、俳句に命を懸けた女流はそうはいない。
わずか40代でこの世を去ったが、美しくも、衒いのない作品世界は、きっと現代の俳人や愛好者を魅了するに違いない。

どなたかが書いていたが、女性の情念を描いた句では橋本多佳子が知られているが、秋子の作品を読んでしまうと、多佳子の作品が「芝居がかって見える」とあった。
私もそう思う。

秋子の作品はもっと率直で、ありのままを赤裸々に描いている。
少し、生まれるのが早かったのではないか、出てくる時代が早すぎた、と思う。
今なら、現代俳句の星として活躍しただろう。

早世ということもあり、杉田久女と並ぶ近代女流俳句の祖・長谷川かな女の影に隠れてしまった感があるが、間違いなく一読に値する俳人である。
飯田龍太も高く評価している。
落合先生の情のある文章もしみじみとさせる。
ぜひ目を通していただきたいと思う。

今は装丁が印刷段階に入り、本文を折丁校正のみとなった。
ひさしぶりの書籍制作で、雑誌を作りながらというのは、正直きつかったが、きっと意義深い一冊が出来ると思う。


飛ぶときの腑まで真白き母の鷺     長谷川秋子

春の川指を流してしまひたく

雪女とならねば見えぬ雪の城

冬ばらの影まで煎りしとは知らず

男根に初日当てたり神の犬

禁じられしことみなしたき椿の夜

柘榴吸ふいかに愛されても独り

嘆くでもなし放浪のかたつむり

悲しむもの集まれよ今落葉焚く

わが尿をあつしと思ふ黄落期

日傘まはし女一人の無駄遣ひ

ことごとく終りはげしき冬迎ふ

病むもよし死ぬもまたよし油蝉

生きることいそがねば雪降りつくす

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