編集長の林誠司です。
だんだんと涼しくなり、イベントや外回りの仕事が増えてきた。
最近のスケジュールを見てみると、
9月5日(火) 俳人協会全国大会
9月10日(日) 「松籟」前主宰、島津余史衣先生取材(愛知県出張)
9月14日(木) 七田谷まりうす「秋」「天為」同人と会食
9月17日(日) 「天穹」20周年祝賀会
9月18日(祝) 現代俳句協会ジュニア俳句祭
9月19日(火) 日本一行詩大賞授賞式
この中で、雑誌を作り、書籍を作っているので結構ハードだ。
今後も続く。
9月23日(土) 船越淑子「青海波」主宰取材(徳島出張)
9月23日(土) 神蔵器先生を偲ぶ会
9月24日(日) 「ひまわり」850号祝賀会
9月27日(水) 大高霧海「風の道」主宰と打ち合わせ
9月28日(木) 伊藤敬子「笹」主宰取材(愛知出張)
9月29日(金) 石井いさお「煌星」主宰取材(三重出張)
ところでさきほど書籍を作っていると書いたが、
落合水尾「浮野」主宰著『山月集』
を雑誌と並行して制作している。
これは水尾主宰の師、長谷川かな女、長谷川秋子の作品を水尾主宰が鑑賞したもので、「浮野」に掲載されていたものに手を加えたものである。
ぜひおすすめしたいのは長谷川秋子である。
かな女の句はこれまで読んできたが、これほど多くの秋子の句に目を通したのは初めてだった。
驚愕した。
これは決して大げさではない。
これほど赤裸々で、俳句に命を懸けた女流はそうはいない。
わずか40代でこの世を去ったが、美しくも、衒いのない作品世界は、きっと現代の俳人や愛好者を魅了するに違いない。
どなたかが書いていたが、女性の情念を描いた句では橋本多佳子が知られているが、秋子の作品を読んでしまうと、多佳子の作品が「芝居がかって見える」とあった。
私もそう思う。
秋子の作品はもっと率直で、ありのままを赤裸々に描いている。
少し、生まれるのが早かったのではないか、出てくる時代が早すぎた、と思う。
今なら、現代俳句の星として活躍しただろう。
早世ということもあり、杉田久女と並ぶ近代女流俳句の祖・長谷川かな女の影に隠れてしまった感があるが、間違いなく一読に値する俳人である。
飯田龍太も高く評価している。
落合先生の情のある文章もしみじみとさせる。
ぜひ目を通していただきたいと思う。
今は装丁が印刷段階に入り、本文を折丁校正のみとなった。
ひさしぶりの書籍制作で、雑誌を作りながらというのは、正直きつかったが、きっと意義深い一冊が出来ると思う。
飛ぶときの腑まで真白き母の鷺 長谷川秋子
春の川指を流してしまひたく
雪女とならねば見えぬ雪の城
冬ばらの影まで煎りしとは知らず
男根に初日当てたり神の犬
禁じられしことみなしたき椿の夜
柘榴吸ふいかに愛されても独り
嘆くでもなし放浪のかたつむり
悲しむもの集まれよ今落葉焚く
わが尿をあつしと思ふ黄落期
日傘まはし女一人の無駄遣ひ
ことごとく終りはげしき冬迎ふ
病むもよし死ぬもまたよし油蝉
生きることいそがねば雪降りつくす
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