木曜担当の加藤です。
土筆の向うに土筆より低い煙突 六丁目
ずっしりと水の重さの梨をむく
7月7日、七夕の日に永六輔さんが亡くなられました。
永さんが俳句好きで、「東京やなぎ句会」に所属していたことは、有名な話。
俳号は「六丁目」。
メンバーの小三治いわく、
「俳句がうまくなりたいなんて人はいなかった。俳句が好きだという人が集まった」。
そんなメンバーが揃って、17音にちなんで毎月17日に句会をしていたといいます。
古今亭志ん生炬燵でなまあくび 六丁目
猫八が虫を鳴く夜の寄席を出る
「東京やなぎ句会」には、私の大好きな落語家も三人所属しています。
入船亭扇橋(光石)、桂米朝(八十八)、柳家小三治(土茶)。
ふるさとは風の中なる寒椿 光石
唇のうすき女や四月馬鹿
籐椅子が髪引っぱった幼い日 八十八
むかし名妓らしき住まいや夏のれん
冷奴柱時計の音ばかり 土茶
銭湯を出て肩車冬の月
落語と俳句には、何か共通の世界があるような気がします。
笑いや滑稽さの中に、もっと深い何かがある。
扇橋、米朝は昨年亡くなっています。
今年の夏の私の目標は、小三治の落語を生でみることです。
ではまた来週。
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