雨ですね。
春の雨は、他の季節の雨とは違い、
雨粒が細くて、傘に受ける感触も軽く、
そして霧のように降り続くイメージがあります。
いつまでも降り続く雨。
しっとりと濡れる花や若葉。
華やかでありながら、どこか切ない、春の雨。
我が背子に恋ひてすべなみ春雨の降るわき知らず出でて来しかも 『万葉集』詠み人知らず
―――恋する気持が抑えられず、会いたくて飛び出してきてしまった。
春の雨が降っているのも気付かずに。
『万葉集』ですでに春雨という言葉が使われていたのは、とても興味深いです。
この雨の感覚を、1200年以上前の人たちも感じていたのですね。
少年のかくれ莨(たばこ)よ春の雨 中村汀女
春時雨、春霖、菜種梅雨、花の雨、春驟雨…
雨が降ると少し気持も滅入りがちですが、いろいろな雨の季語で
句を作るのも、趣があってよいかもしれません。
ではまた来週。
加藤でした。
加藤でした。
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