「あれ?昨日、前回のブログ書いたばっかりのような気がするけど。おかしいな」と、
ブログの故障を疑い、カレンダーを確認しました。
確実に一週間経っていました……。恐ろしい。
他の曜日のブログでも書かれていますが、現在、「俳句界」3月号の進行真っ最中です。
3月号の特集は「〝俳″を考える」と、もう一つ、「名句うらばなし」。
中村草田男、岸風三樓、澤木欣一、野澤節子、寺山修司、北 光星、
宇佐美魚目、金子兜太、後藤夜半。
「名句うらばなし」では、さまざまな俳人たちの名句と、その句のエピソードなどが語られています。
小説や短歌でもそうですが、作者の当時の状況や、作品の背景を知ると、こめられた思いに深く共感できたり、気付かなかった意図を知ることができる気がします。
特集でも取り上げられている寺山修司は、さまざまなジャンルでその世界を表現してきた人物。
高校1年のとき、背伸びをして彼の本を手に取った私は、すべてを理解することはできず、
「まだ自分には早いかな」と本棚にそっと戻したものでした。
しかし…同じ高校1年の時にはもう、寺山修司は多くの著名俳人に選ばれるほどの
俳句を詠んでいたのです!
今回、寺山修司の俳句を調べていろいろと読んでみたのですが、
想像していたものと少し違っていて驚きました。いくつか引用します。
お手だまに母奪われて秋つばめ
べつの蝉鳴きつぎの母の嘘小さし
古書売りし日は海へ行く軒燕
大揚羽教師ひとりのときは優し
山鳩啼く祈りわれより母ながき
口開けて虹見る煙突工の友よ
生きてきた時代も育った環境もまったく違うのに、彼の俳句の中にある、
もどかしく、複雑で、感傷的な何かが、私の記憶とリンクするのです。
それは誰もが通ってきた、大人になる前の「青春」の記憶なのかもしれません。
話は変わりますが、
第55回俳人協会各賞が発表され、
俳人協会新人賞に藤井あかりさんの『封緘』 (文學の森)、
俳人協会評論賞に依田善朗さんの『ゆっくりと波郷を読む』 (文學の森)が受賞されました!
文學の森より発売中です!
よろしくお願いします。
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